キャリアアップを目指す!
詳しくはこちら
売掛金と未収金の違いを簡単に説明すると以下のとおりです。
売掛金 | 営業活動から生じたお金を受け取る権利 |
未収金 | 営業活動以外から生じたお金を受け取る権利 |
つまり売掛金と未収金は「何を売って得られたお金か」によって区別されるということです。つぎから、それぞれの科目について詳しく解説していきます。
売掛金は営業活動から生じたお金を受け取る権利(債権)です。たとえば自社の商品の販売やサービスを提供して売れたお金を後から回収するものです。
企業間の取引では商品が売れた時などは、その都度お金を回収するのではなく、1カ月間に発生した取引分をまとめて翌月などに請求するのが通常です。個人に例えれば、インターネットショッピングなどで商品が届いた後にお金が口座から引き落とされるのと同じだと考えると分かりやすいでしょう。
このような取引は、将来相手がお金を支払わないリスクも考えられるため、信用を与えることで成り立っていることから、信用取引と呼ばれています。
未収金は営業活動以外から生じたお金を受け取る権利(債権)です。営業活動以外とは自社の商品やサービス以外の取引を指しますが、たとえば会社の土地や備品などを売却したことで発生するお金を後から回収するものです。
なお、入金されるまでに1年以上かかるものについては、長期未収入金という勘定科目を使用します。
売掛金・未収金と似ている科目に「未収収益」と「前受金」があります。会計処理をするにあたっては混同しやすく注意が必要なため、未収収益と前受金の内容について簡単に解説します。
未収収益も売掛金・未収金と同じように未回収のお金を受け取る権利に変わりはありません。この3つの科目を区別するには次の順番で分類すると分かりやすいです。
1.営業活動で生じた取引かどうか
営業活動で生じた取引の場合・・・「売掛金」
営業活動以外で生じた取引の場合・・・「未収金」または「未収収益」
契約に基づく継続的な取引の場合・・・「未収収益」
契約に基づく継続的な取引でない場合・・・「未収金」
未収収益とは契約に基づく継続的な取引かどうかで判断されます。たとえば、不動産を所有して賃貸しているときの家賃収入や金銭の貸付をしたときの利息は、継続的な取引であるとみなされます。このうち、まだ支払期日が到来していないものが「未収収益」になります。
売掛金・未収金・未収収益の違いを表にすると以下の通りです。
売掛金 | 未収金 | 未収収益 |
営業活動で生じた取引 | 営業活動以外で生じた取引 | 営業活動以外で生じた取引 |
非継続(単発)の取引 | 非継続(単発)の取引 | 契約に基づく継続的な取引 |
(例)商品販売代金 | (例)土地売却代金 | (例)地代家賃
受取利息 手数料 |
前受金は、商品やサービスを販売する前にお金を全部または一部を受け取った場合に使用する科目です。つまり商品やサービスを販売する前にもらったお金は前受金、商品やサービスを販売した後にもらう予定のお金は売掛金になります。
たとえば不動産取引などの高額な商品の販売前に手付金として代金の一部を受け取るケースなどが前受金になります。
売掛金と未収金の仕訳の方法について、具体例を用いて詳しく解説します。
売掛金は貸借対照表の資産に計上する勘定科目です。仕訳では「借方:売掛金」、「貸方:売上高」となります。
売掛金は顧客に商品が販売された時点で売上高に計上し、顧客から入金された時点で売掛金の消込を行います。
例① 顧客に10万円の商品を販売し、代金を後日受け取ることとした。
借方 | 借方金額 | 貸方 | 貸方金額 |
売掛金 | 100,000円 | 売上高 | 100,000円 |
売上高に計上するタイミングは企業によって異なります。商品が出荷された時点で計上する出荷基準や、商品が納入され検収が終わった時点で計上する検収基準などがあります。
例② 顧客から販売代金10万円が入金された。
借方 | 借方金額 | 貸方 | 貸方金額 |
普通預金 | 100,000円 | 売掛金 | 100,000円 |
販売代金が入金になれば、売掛金の請求金額と実際に入金された金額を照らし合わせて売掛金を消し込みます。もし入金予定日に入金されなかったり入金された金額が異なったりした場合は、顧客へ督促する必要が生じます。
このように売掛金には未回収のリスクがあり、顧客の経営状況によって支払いが滞ったり、倒産などによって支払いが不能になったりする場合もありえます。そのため、売掛金は適切に管理をすることが大切です。
未収金は貸借対照表の資産に計上する勘定科目で、売掛金との違いは営業活動以外から生じたお金を受け取る権利です。
そのため貸方科目については、取引内容によって変わってきます。以下の具体例を見てみましょう。
例① 営業用の社用車を20万円で売却し、代金を後日受け取ることとした。社用車の帳簿価額は15万円だった。
借方 | 借方金額 | 貸方 | 貸方金額 |
未収金 | 200,000円 | 車両運搬具 | 150,000円 |
固定資産売却益 | 50,000円 |
車や土地などの固定資産を売却したときの貸方科目は資産科目になります。帳簿価額よりも高く売却できた場合は、その差額を固定資産売却益として損益計算書の特別利益に計上します。
例② 売却先から代金20万円が入金された。
借方 | 借方金額 | 貸方 | 貸方金額 |
普通預金 | 200,000円 | 未収金 | 200,000円 |
売却代金が入金になれば、未収金の請求金額と実際に入金された金額を照らし合わせて未収金を消し込みます。
例③不要となったパソコンを1万円で売却し、代金を後日受け取ることとした。
借方 | 借方金額 | 貸方 | 貸方金額 |
未収金 | 10,000円 | 雑収入 | 10,000円 |
資産に計上していない不要パソコンを売却した時の貸方科目は、雑収入になります。
2021年生まれ。 BPOや業務効率化など企業成長のためになることがすき。 特にスタートアップやベンチャーなど新しいことに挑戦している人たちを応援するのが生きがい。 知りたい情報のリクエストも受け付けてます!
SEARCH