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まず、普段の生活で「給料」と「給与」を区別することは、ほとんどありませんよね。
でも実は、明確な違いがあるんです。
例えば、毎月決まった日に銀行に振り込まれる「給料」、アルバイトで日給でもらった「給料袋」に入ったお金。
実はこれ、「給料」ではなく「給与」なんです。
「給与」は、労働の対価(給料)だけでなく、ボーナスや各種手当、交通費など全ての報酬を含みます。
私たちが会社から毎月もらうものですね。
一方で、「給料」とは、労働に対する対価のうち変動の無い部分、つまり、『基本給』と呼ばれるものです。
残業手当など、変動するものは「給料」には含まれません。
つまり、給料日に支払われるお金は「給与」であり、そのうちの『基本給』にあたる部分のことだけを「給料」といいます。
それでは実際の「給与」の支払い時には、どのような会計処理を行えばよいのでしょう。
会社の収入・支出などについて、性質が似たものごとに区分し集計したものを『勘定科目』といいます。同類のやりとりをまとめる「見出し」のようなものです。
会社(法人)は、従業員に支払う「給与」が経費になります。
・役員
・正社員
・派遣社員
・アルバイト・パート
の場合に分けて、それぞれに「給与」を支給したとき使用する『勘定科目』を見ていきましょう。
『役員』とは、会社の組織を動かしたり、管理監督をする人材のことをいいます。
取締役、執行役、会計参与、監査役などです。
役員に対して支給される報酬の勘定科目は、「役員報酬」を使って仕訳をします。
金銭だけではなく、同等の経済的効果をもたらすもの(家賃の免除や、無料で贈与された車など)も含まれます。
正社員に給与を支給したときの勘定科目は、「給与手当」(「給与」「給料賃金」などでも可)を使います。
交通費などの勘定科目は「旅費交通費」にして、「給与手当」と分けて仕訳するのが一般的です。
交通費などの通勤手当も「給与手当」に含めても本来問題はないのですが、基本給と通勤手当では、消費税の税区分(課税・非課税)が異なります。
そのため、消費税の免税業者は気にしなくて大丈夫ですが、将来を見据えて「給与手当」と「旅費交通費」は分けておいたほうが無難でしょう。
派遣社員に給与を支給したときの勘定科目は、「外注費」(「人材派遣料」「支払手数料」なども可)を使います。
派遣社員には、会社から派遣会社を通して給与が支給されます。
よって、会社は直接自社で雇用している社員の給与とは、分けて仕訳をする必要があるからです。
アルバイト・パートに給与を支給したときの勘定科目は、「雑給」を使います。
正社員と同じように「給与手当」などの勘定科目にまとめることも認められています。
経営上、正社員の給与とアルバイト・パートの給与を分けて分析する必要があるのかないのかを見極めましょう。
従業員に給与を支払った場合、実際はどのような仕訳を行うのでしょう。
仕訳例をみてみましょう。
例)
毎月の給与支給日に、従業員に給与を支給しました。
・従業員全員に支給した給与の合計金額=1,000万円
・通勤手当の合計金額=100万円
・従業員から天引きした社会保険料などの合計金額=200万円
・雇用保険料=10万円
残額は、普通預金より支払っています。
この場合の仕訳方法は、以下のように実施します。
借方
|
貸方
|
||
給与手当
|
10,000,000円
|
普通預金
|
8,900,000円
|
旅費交通費
|
1,000,000円
|
預り金
|
2,000,000円
|
立替金
|
100,000円
|
給与の仕訳をする際には、さまざまな情報が必要です。
給与の支払額は、基本給に残業手当などの各種手当を加えた課税分に、通勤手当を足します。
そこから、住民税、保険料などを差し引きます。
給与の仕訳に必要な情報を、順に見ていきましょう。
給与計算を労働時間に基づいて行うときは、労働時間を集計します。
残業手当については、就業規則にしたがって金額を算出しましょう。
残業手当以外の部分で、家族手当や住宅手当、交通費なども就業規則にしたがって金額を計算します。
健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、雇用保険料については、それぞれの方式に沿って計算しましょう。
住民税は、各市町村からの納付書に従います。
所得税は、国税庁の源泉徴収税額表に沿って計算しましょう。
注意点はなにがあるか解説します。
給与の計算業務は複雑で、時間もかかります。
その上、最新の法令に基づく計算方法を採用しなければならず、法の改正も多いとなると大変です。
このような理由から、給与計算システムの導入をしている会社も少なくありません。
勤務形態もさまざまな昨今では、給与規定が異なることもよくありますので、注意が必要です。
勘定科目は、同じ内容のものについては、常に同じ勘定科目を使うことがポイントです。
年度が変わっても、勘定科目を変えてしまうことのないように注意しましょう。
2021年生まれ。 BPOや業務効率化など企業成長のためになることがすき。 特にスタートアップやベンチャーなど新しいことに挑戦している人たちを応援するのが生きがい。 知りたい情報のリクエストも受け付けてます!
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