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そもそも源泉所得税はインターネットで納付できるのかについてですが、納付できます。
むしろ国税当局は、「税務署に行かなくても納付が行える」という構想を立てているなど、インターネット納付の推進に取り組んでいるところです。
税務署に行かなくても納付が行えるよう、従来、様々な納付手段を提供しています。納税者の利便性を向上させるとともに、現金管理等に伴う社会全体のコストを縮減する観点から、引き続き金融機関や関係省庁と協力して、キャッシュレス納付の推進に取り組んでいきます。
引用元:国税庁「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション- 税務行政の将来像2.0 -」
しかし令和2年度(2020年度)において、国税の納付手段は次のとおり金融機関窓口での納付が主流となっています。
・金融機関窓口:64%
・税務署窓口:2%
・コンビニ納付:4%
・キャッシュレス納付:29%
※キャッシュレス納付とは、振替納税やダイレクト納付、インターネットバンキング、クレジットカード納付の合計のことです。
なお、令和3年度(2021年度)税制改正では2022年1月1日から「スマホアプリ納付」を可能とする制度が設けられましたが、調達において入札者が現れず、2022年12月導入予定に延期されました。
ちなみに、特別徴収の住民税は2022年5月時点で対応していませんが、地方税においてはすでに自動車税種別割や固定資産税、不動産取得税、個人事業税などにおいてスマホアプリ納付が可能となっています。
源泉所得税をインターネットで納付する方法は、2022年5月時点で次の3つです。
・ダイレクト納付
・インターネットバンキング納付
・クレジットカード納付
納付の流れについては後述しますので、ここでは上記3種類の納付方法の特徴を簡単に紹介します。
ダイレクト納付は、最初だけ手続き(口座振替契約)が必要となるものの、一度手続きを完了させると納付手続きの手間を限りなく抑えて迅速に完了できる納付方法です。
大まかには、事前に預貯金口座を登録しておけば、e-Taxの画面上で預貯金口座と納付日を選択するだけで手続きが完了します。金融機関のインターネットバンキングにログインして振込手続きを行う必要もありません。
そのため、特に国税の納付回数が多くなりがちな源泉徴収義務者におすすめできるのがこのダイレクト納付です。
○金融機関や税務署の窓口に出向く必要がありません!
⇒ 源泉所得税を毎月納付している方に便利です
(徴収高計算書の作成・提出から納付までの手続を1度に行えます)
引用元:国税庁「ダイレクト納付手続マニュアル」
ただし、ダイレクト納付は次の点に注意しておきましょう。
・ネット銀行はダイレクト納付に対応していない
・法人はダイレクト納付の届出書提出にあたってオンライン提出ができない
インターネットバンキング納付は、マルチペイメントネットワーク(MPN)を利用した収納サービス(Pay-easy)です。
ダイレクト納付のように届出書を事前に提出する必要はありませんが、納付時に金融機関のWebサイトに遷移してインターネットバンキングにログイン後、納付内容を確認して納付操作を行う必要があります(e-Taxからそのまま遷移せずPay-easyを利用することも可能)。
もっとも、金融機関の窓口に持参して納付するのと比べると手間はかかりません。
なおインターネットバンキング納付(Pay-easy)なら、一部ネット銀行(PayPay銀行、楽天銀行)にも対応しています。
クレジットカード納付は、その名のとおりクレジットカードを使って納付する方法です。
もちろん金融機関や税務署の窓口でクレジットカードを提示するわけではなく、専用サイトにクレジットカード情報を入力して手続きを進めます。
実質的に税金を後払いにできる点はメリットですが、納付税額1万円以下ごとに83.6円(税込・1円未満端数切捨て)の手数料が発生する点はデメリットです。
それでは、実際に源泉所得税をインターネットで納付する流れを紹介します。なお、源泉所得税のインターネット納付に共通して必要な手続きは次のとおりです。
・e-Taxの利用準備(登録)
・e-Tax(WEB版)の事前準備セットアップ(パソコン)
インターネットバンキングは上記だけで良いですが、ダイレクト納付の場合はダイレクト納付利用届出書が必要となります。
ここではダイレクト納付を前提に源泉所得税をインターネットで納付する流れを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
今回は、e-Tax(WEB版)で徴収高計算書データの作成と送信、源泉所得税の納付を行うことを前提とします。
そこで、e-Tax(WEB版)を利用するために必要な事前準備セットアップを行わなければなりません。
e-Tax公式ページの案内を参考に、事前準備セットアップファイルをダウンロードしてインストーラを実行します。また、利用ブラウザがMicrosoft EdgeやGoogle Chromeなら、拡張機能(e-Tax AP)もインストールします。
過去の事前準備セットアップが端末に残っている場合は不具合が出るので、該当端末はプログラムをアンインストールしておきましょう。
事前準備セットアップが完了したら、次はe-Taxの利用準備です。e-Taxを利用するためにはe-TaxのID(利用者識別番号)を取得しなければなりません。
そのため、「e-Taxの開始届出書(電子申告・納税等開始届出書)」を作成して税務署に提出します。
具体的な提出方法はさまざまですが、法人は税理士に依頼するか、e-Tax開始届出書作成・提出コーナーから作成して提出しましょう。
ただし、もし関与税理士がいる場合には、税理士がすでに利用者識別番号を取得している可能性もあります。そのため、e-Taxの利用開始前に税理士に確認しておくと良いでしょう。
利用者識別番号が通知されてe-Taxが利用できるようになったら、ダイレクト納付利用届出書を提出します(インターネットバンキング納付は不要)。
前述のとおり法人の場合は書面提出に限られているため、「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を書面で所轄税務署長に提出します。
国税庁のホームページに届出書や記載要領が準備されているので、ファイルをダウンロードして記入後、印刷して提出しましょう。
利用開始まで約1ヶ月かかるため、早めの提出がおすすめです。
ダイレクト納付利用届出書を提出すると、約1ヶ月後にe-Taxのメッセージボックスで登録完了メッセージが届きます。この時点でダイレクト納付の利用が可能となります。
次にe-Tax(WEB版)にログインし、「申告・申請・納税」を選択後、「新規作成」から該当する徴収高計算書を選択しましょう。
提出先の税務署を確認したあと、画面の案内に沿って作成を進めていきます。作成が完了したら内容を確認し、「送信」ボタンをクリックして確認ウィンドウでも「はい」を押すと送信完了です。
なお、国税庁からダイレクト納付手続マニュアルが公表されていますので、あわせてご確認ください。
徴収高計算書データを送信しシステムで受け付けられると、メッセージボックスに受信通知が格納されるので確認しましょう。
その通知で「今すぐに納付される方」もしくは「納付日を指定される方」を選択後、事前に登録した引落口座を選択します。最後に画面下部の「上記登録内容で、納付を行いますか」に対して「はい」を選択すると手続完了です。
こちらもメッセージボックスに「ダイレクト納付完了通知」が届きますので、納付が完了したことを確認しましょう。
2021年生まれ。 BPOや業務効率化など企業成長のためになることがすき。 特にスタートアップやベンチャーなど新しいことに挑戦している人たちを応援するのが生きがい。 知りたい情報のリクエストも受け付けてます!
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