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与信管理は、取引先の貸倒れによる損失のリスクを抑えるために大変重要です。
取引先から代金を回収できないことを貸倒れと言います。
もし取引先の倒産などによって貸倒れが発生すると、次のような影響があります。
・自社の業績に影響する
・自社の資金繰りに影響する
・損失や資金繰りの悪化が自社の信用低下につながる
・後処理に社員の時間が割かれる
それぞれの内容を解説します。
取引先の倒産などにより代金が回収できないと、売掛金が損失となります。
これは、その取引で見込んでいた利益がなくなるだけでなく、商品の製造にかかった材料費や人件費なども回収できないことを意味します。
仮に売上に対する利益率が20%だった場合、損失を取り戻すためには、貸倒れとなった取引の5倍の売上を上げて利益を稼ぐ必要があるのです。
取引先の倒産などによる貸倒れは、自社の資金繰りにも影響します。
例えば、取引先から回収した資金で、他社へ材料費を支払う予定だった場合、この支払いができなくなるでしょう。
これを支払うためには、他に使う予定だった資金をあてる必要があり、今度はそちらの資金が足りなくなります。
といったように、十分な余剰資金がない場合には、貸し倒れをきっかけに資金が回らなくなる可能性があるのです。
最悪の場合には、連鎖倒産に波及することも考えられます。
連鎖倒産は免れたとしても、その後の他社との取引では信用が低下する可能性が高いでしょう。
貸倒れによる損失が出たという話が伝われば、自社の資金繰りに懸念を持たれます。また、与信管理の甘さも疑われるかもしれません。
取引先からの信用が低下し、その後の取引に悪影響を与えることが考えられます。
貸倒れが発生すると、その後の処理に多くの労力がかかります。
貸倒れ先からの債権回収や、自社の資金繰りの見直しなど本来はやる必要がないはずのネガティブな業務を余儀なくされます。
また、自社の業績が悪化すれば、社員の働く意欲にも影響するでしょう。
損失による直接的な影響だけでなく、その後の組織運営への悪影響もあるのです。
ここまでは、与信管理が甘かった場合のネガティブな影響を紹介しましたが、適切に与信管理することでポジティブな影響もあります。
適切に与信を管理し、優良な取引先をしっかりと見極めることは、取引を拡大し自社の成長につなげるチャンスです。
リスクを過度に警戒して引き締めすぎることは、ビジネスの機会を逃すことになります。
自社に適した与信管理の基準や仕組みを確立し、攻めと守りのバランスの取れた与信管理が大切です。
一般的な与信管理のプロセスを紹介します。
・取引先の調査
・取引先の評価
・与信限度額の設定
・事後管理
各プロセスの内容を確認しましょう。
まずは、取引先に関する情報を集めて調査します。
調査は、内部や外部の情報を駆使して多角的に行うことが重要です。
調査には主に次の方法があります。
・過去の取引履歴から問題のある取引がないかをチェック
・取引先のホームページなどで公開されている決算書などから財務状況や業績を把握
・帝国データバンクなどの情報機関から情報を取得 ※費用がかかるので注意
・営業担当から、数字以外の生の情報をヒアリング
・直接取引先に出向いて確認
このように、いろいろな手段を使って取引先の情報を集めます。
集めた情報をもとに取引先の信用力を評価します。
評価には数値による評価(定量評価)と数値以外の評価(定性評価)があります。
定量評価は、売上や利益など、決算書や財務諸表から得られる数値から、取引先の財務状況や業績を評価する作業です。
定性評価では、経営者の資質や技術力、会社の雰囲気、取引先との関係など、数字では表せない企業の経営実態を見極めます。
これらの評価をもとに、社内で定められた基準に沿って取引先を公平に評価します。
評価結果をもとに取引先への与信限度額を決めます。
与信限度額とは、取引先ごとの売掛金と受取手形を合わせた総債権の上限額のことです。簡単に言うと、この金額以上は取引してはダメ、という上限額です。
与信限度額を低く設定すれば貸倒れリスクを抑えられる反面、取引できる金額が減り、収益機会を失うことになります。
営業部門は売上をあげたいので限度額を大きくしたい、経理部門はリスクを抑えるため限度額を小さくしたい、という逆の動機が働きがちです。
両者の意見を踏まえ、決裁責任者が与信限度額を決定し最終決裁します。
事後管理は、決めた与信限度額にもとづいた取引の実施状況を管理することです。
決められた期限内に売掛金を回収できているか、与信限度額以上に売掛金が積みあがっていないかといったことをチェックします。
時間の経過で取引先の経営状況は変わるため、こまめに営業担当から情報を仕入れて、定期的に与信限度額を見直すことも重要です。
2021年生まれ。 BPOや業務効率化など企業成長のためになることがすき。 特にスタートアップやベンチャーなど新しいことに挑戦している人たちを応援するのが生きがい。 知りたい情報のリクエストも受け付けてます!
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